【取材レポート】渋谷ワンダフル給食「鶏と葱の冷やしあえソバ」

ワンダフル給食プロジェクト第二弾は、厳しい残暑をパワフルに乗り切る中国料理!
「鶏と葱の冷やしあえソバ」です。
9月某日、給食提供風景を取材するため「渋谷区原宿外苑中学校」におじゃましました。
今回のメニューのポイントは、何と言っても、コク深く香ばしい「葱油」です。本格的な中国料理では、素材の風味を移した油が良く使われます。
プロの技を給食で味わうことができるのが、ワンダフル給食の魅力です。
さっそく、調理風景を見せていただきましょう!
「鶏と葱の冷やしあえソバ」ができるまで
まずは「葱油」を作っていきます。
鍋に胡麻油を入れ、そこに大量の葱を投入します。

大きな調理用スコップで、力強く炒めていきます。

鍋肌の周りにくっついた葱も、丁寧にこそげ取ります。
これにより、うま味を逃さず集めることができます。

しっかり炒めて葱の水分を出し切り、時間をかけて全体が色付くまで炒め続けます。
シェフも見守り、「葱油」の出来上がりを見極めます。

うま味と甘みが凝縮した、「葱油」が出来上がりました!

葱油を炒めている間に、蒸した鶏肉を手で割いていきます。
手作業は大変ですが、こうすることで鶏肉に味がしっかり染み込みます。

葱油に、しめじ、ピーマンを加えてさらに炒めます。

ここでも、うま味をしっかり集めます。

炒め上げた具材は、ボウルごと水に浸して冷ましておきます。

大量の中華麺を茹でたら、

湯上げして、

流水で洗いながら、しっかり冷やします。

冷ました具材に、タレ、鶏肉、小松菜を加え、洗った麺も合わせます。

冷やしあえソバの出来上がりです!

「スパイシービーンズ」ができるまで
大豆に小麦粉をまぶし、

油でカラッと揚げます。

特製スパイスをまぶして、

スパイシービーンズの出来上がりです!

渋谷ワンダフル給食のできあがり!


配膳までの間にも、タレと、葱油のコクと、具材のうま味が、ソバにしっかりと染み込んでいます。
冷やしてあるのでサッパリとしていながらも、ボリューム感のある逸品です。
子どもたちが待つ、教室へ
みんなで手を合わせて、いただきます!

山盛りのあえソバを、がっつりたっぷり食べてくれています!
さすが中学生!



みんなのお皿は、すっかり空っぽです。
付け合わせのスパイシービーンズも大人気!

今回のワンダフル給食も、たくさん食べてくれてありがとう!
食育に力を入れている原宿外苑中学校。
(参考:原宿外苑中学校の取り組み→https://swslp.tokyo/archives/3240)
今回も、給食メニューに関する本が掲示されていて、クイズも用意されていました。
生徒たちが、食材や食文化について理解を深めることができる、素敵な取り組みが続けられています。

次回のワンダフル給食も、どうぞお楽しみに!

池田 晃久先生
(学校法人服部学園 服部栄養専門学校 中国料理教授)
9月のワンダフル給食は、残暑をのりきる中華料理!
「鶏と葱の冷やしあえソバ」です。
中華料理では、油をたっぷり使って「焼く、炒める、揚げる」というメニューが多くあります。
胡麻油や辣油はもちろん、葱油や蝦油、花椒油など、素材の風味を移した油もよく使われます。
これらの油は、少量加えるだけで、料理に一段とコクや深みを与えることができます。
今回は、スライスした葱を胡麻油でこんがりと香ばしく炒めた「葱油」をつくり、葱のよい香りと、うま味をあますことなく鶏肉と麺にまとわせることで、コク深く風味のある合えソバに仕上げました。
また、油は脂質とも言います。
そして、糖質、たんぱく質、脂質は、「三大栄養素」と呼ばれています。
これらは体をつくり、体を動かすエネルギーにもなるため、健康には欠かすことができないものです。
ソバには「糖質」、葱油には「脂質」、鶏肉には「たんぱく質」が含まれています。
栄養満点のメニューをたくさん食べて、元気な毎日を過ごしましょう!