【取材レポート】服部栄養専門学校にて、ワンダフル給食調理講習会が行われました!


2025年2月、渋谷区の小中学校で給食をつくってくださっている栄養士さん・調理師さんを対象とした料理講習会が、服部栄養専門学校にて行われました。
ワンダフル給食プロジェクトの目的の一つとして、「給食現場で活躍されている栄養士さん・調理師さんのスキルアップの機会提供」が掲げられています。
今回の講習会テーマは、事前に参加者から募集した中から選ばれ、日頃の大量調理の現場で実践的に活かせる内容となっています。
講師陣は、ワンダフル給食のメニューを監修している服部栄養専門学校の先生方です。
講習会当日の様子を取材してきました!
料理講習会のようす

会場は、服部栄養専門学校のスタジオキッチン。吹き抜けの大きな教室です。


渋谷区教育委員会の職員の方と服部栄養専門学校の栄養士の先生のご挨拶で講習会が始まりました。

本日1つ目のテーマは、「ルーの炒め方の違いによる変化」について。
講義をしてくださるのは、西洋料理教授の中村哲先生です。
学校給食では、カレーなどのルーも給食室で手作りすることが多くあります。
しかし、手作りのルーは、日によって味や質感、見た目の色などが大きく変わってしまうことがあります。
その決め手となるのが「加熱温度」。温度によってルーがどのように変化していくかを、解説を交え実演します。

鍋を火にかけバターを溶かし、小麦粉を入れ、表面温度を計りながら加熱していきます。

右は100℃~120℃で加熱を止めたルー、
真ん中は160℃~180℃で加熱を止めたルー、
左は220℃以上まで加熱を続けたルーです。
加熱温度の違いで、こんなに色味に違いが出ました。

実際にそれぞれのルーを手に取ると、香りにも質感にも、見た目以上に大きな違いを感じることができました。

次に、この3種類のルーに調味料を加え、それぞれカレールーに調理します。

3種類のカレールーが出来上がりました。

試食し、食べ比べます。


同じ材料を使っているのに、こんなに違いが出るなんて!加熱温度管理の大切さを実感することができました。
カレールーのデモンストレーションの様子はこちらの動画からもご覧いただけます。

次に、本日2つ目のテーマ「ゼラチン・アガー・寒天の使い方」について。
講義をしてくださるのは、中国料理教授の横尾博志先生です。


まず、ゼラチン・アガー・寒天のそれぞれの特性や調理のポイントについての説明があり、
次に、杏仁豆腐の由来や成り立ちについて紹介がありました。


ゼラチン・アガー・寒天は、調理のために溶かす方法や温度が違います。
それぞれ仕上がりの食感にも違いがあり、溶け出す温度帯も違います。
今回は、ゼラチンと寒天の両方を使い、それぞれの特性を活かしてなめらかな口当たりと絶妙な固まり具合を実現した理想的な杏仁豆腐のレシピを教えてくださいました。


ゼラチンと寒天を使った杏仁豆腐を試食します。
杏仁豆腐には、爽やかな香りのレモンシロップがかかっています。
とろりと甘い杏仁豆腐との相性はバッチリ!
気になる杏仁豆腐のレシピはこちら!
杏仁豆腐のデモンストレーションの様子はこちらの動画からもご覧いただけます。


各講義の合間には、質問タイムも設けられました。
参加者による現場目線の質問に、講師陣の先生方が答えます。
有意義な意見交換の場にもなりました。
小学校中学校の栄養士さんや調理師さんは、このように日々研究を重ね、子どもたちの健康と笑顔を第一に考えた安全でおいしい給食を提供してくださっているんですね。
そんな栄養士さんや調理師さんの愛情がたっぷり詰まった給食を毎日食べられることに感謝して、これからも給食をたくさん食べてくださいね!
ご参加いただいた皆様、ありがとうございました!